青年建築士のつぶやき 群馬建築士会

一般社団法人 群馬建築士会青年委員会がお送りする、笑いと涙の建築お役立ちサイト

吉田桂二の木造建築学校の講義

3年目の匠組
511()、吉田桂二の木造建築学校匠組の平成25年度第1回目の講義に出席しました。
私にとって、匠組3年目の年が始まりました。7年以上受講している方も多く、25人の受講生のうち、19人が継続して受講しています。学校では、主に木造住宅の設計技術について学びます。
毎年、1回目の講義は課題の講評がないので、リラックスしながら受講生の自己紹介や決意表明などを聞いていたのですが、講義が始まり10秒後には、3年目の慣れからくる気の緩みはなくなっていました。
 
「皆、小さいところしか修正しない、変える時は大きく動かす」
 
と吉田先生によるプランニングの講義が実例を示しながら始まったのです。最近、小さな修正のバリエーションを増やそうとしていたため、はっとさせられました。
 
■大きく動かす
 大きく動かすとは、建物の外形や架構をおさえつつ、吹抜けのある空間や、2階の屋根が1階に葺き下げられることによって生まれる内部空間などを立体的に動かしながら、同時にリビング、食堂、寝室などをそれらの空間にマッチングさせることをいいます。
 建物の外形や架構をおさえつつというのは、まず平面が3間×6間、4間×4間などの総2階建ての木造架構を屋根形状も含めて把握することをいいます。(1間は約1.8m)。その木造架構の外周部には1間間隔に柱が建ちます。これらの柱はプランニングの際、下屋を取りつける時などに取り除かないよう注意をしなくてはなりません。
 私がプランニングをする時は、まず、平面が2間×2間、3間×3間の木造架構を1つのユニットにします。そして、ユニットの屋根面を葺き下げたり、2階床面を抜いたり、重ねたりしてできる内部空間をリビングや寝室などとマッチングさせます。吹抜けのあるリビングなどを検討するときは、その配置により間取りが立体的に動きます。
 
 大きく動かしながらプランニングを展開することで、性質の異なるプランが何案も生まれます。今回の講義では、そのような展開力をつけることが求められました。小さな修正に走ってしまうと、展開力をつけるチャンスを逃すことになります。そのためには、自分に厳しくなり、自分自身で新たな課題を設定し続けなくてはなりません。プランを23案出して満足していては訓練が足りないということでした。
  学校では平面的にプランニングを検討するのではなく、立体的に建物全体と木造の骨組みを考えながらプランニングをすることが求められます。木造の架構と生活空間のかたちが一致した住宅になるようにしなくてはなりません。その際、架構の美も求められます。
 
 
■ディテールや施工方法の講義
また、佐々木亨先生による講義では、受講生が以前、見学させて頂いた建物のディテールや施工方法の説明等をして頂きました。
今年は、何か違う雰囲気がします。われわれ受講生を一歩前へ押し出そうとする、そんな空気を感じます。
 
群馬建築士会藤岡支部 島崎重徳