瓦の勉強会~瓦葺き職人さんと共に学ぶ~
瓦の勉強会風景
群馬建築士会藤岡支部は、2012年6月22日(金)19時~20時50分、「瓦の勉強会~瓦葺き職人さんと共に学ぶ」を藤岡市総合学習センター403号室にて開催致しました。講師を含め合計24名の方が集まりました。安中支部、伊勢崎支部、高崎支部の方にも参加して頂きました。参加して頂いた方、告知に協力して頂いた方、ありがとうございました。勉強会の後の懇親会には15名の方が集まり、活発な意見交換が行われました。
勉強会の次第は以下のようなものでした。
1. 開会
3. 講義内容
(1) 1時限目(19時~19時50分) 東日本大震災における瓦の被害状況と対策
(2) 2時限目(20時~20時50分) 瓦の割り付け教室~和瓦を美しく葺くためのポイントの確認~
4. 閉会
●1時限目の主な講義内容
①瓦屋根が倒壊した物件の特徴について。壁量の少ない方向に被害が出た。
②罹災した棟の特徴について。現在の地震に配慮した棟の工法の説明。現在は被害の多かった畑の粘土ではなく、南蛮漆喰を使用して棟をつくっている。針金でも躯体と固定する。
④質疑応答
主な質問
・大棟の高さの違いにはどのような意味があるのか
答え) 見栄が一番のようです。バランスもあります。
・谷部の水漏れについて
答え)板金の腐食が考えられます。
・群馬において瓦の被害が集中した地域がライン状になっているようだが理由を教えてほしい。また、どの地域か。
また、群馬は1万5千件の瓦の被害がでましたが、地盤改良をしたところは被害が少なかったです。
・ルーフィングの性能について
答え)透湿防水系のルーフィングの話などがありました。
●2時限目の主な講義内容
①講義内容の説明。瓦の割り付け体験用用紙の説明。
②和瓦の特徴について。多彩な軒瓦の紹介。
③雁足について。瓦を割って瓦を葺くと雁足が乱れてしまうことの説明。
④スガルの説明。
⑤一般的に軒の出寸法やケラバ(傍の出)を図面上600㎜や450㎜とする図面が多いが瓦を割らないように割り付けをすると、そのようなぴったりとした数字にはならないことの説明。
⑥瓦の割り付け体験。
主な質問
・屋根伏図の屋根の流れ方向のラインの表現について。例えば、切妻の南面と北面を揃えたい。
答え)右袖瓦と左袖瓦の働き寸法が異なるので、揃えないでください。
・ケラバ、軒の出を600にしたい時の早見表のようなものはあるのか。
答え)ありません。建物の長さにより異なります。
・瓦の調整は一枚当たりどのくらいできるのか。
答え)ほとんどないとおもってください。
●講義内容補足
宇佐見隆志さん
小林剛士さん
●今後の展開について
・最後まで参加した群馬建築士会副支部長の塚本敏博より、バジョーンアップして、またやるように、勉強会に対しての支持を受けました。瓦の割り付け教室は建築士にとって盲点をついた良い勉強会であったと、良い評価を受けました。
・参加していた群馬建築士会青年委員会委員長の三好建正と群馬県屋根瓦工事組合連合会青年部部長の小林剛士さんにより、意見交換が行われました。今後の交流に期待がもてます。両団体は4年前から交流がありますが、今回のような支部単位の勉強会は初めてであり、今までと違う展開のはじまりといえます。
・藤岡は瓦の産地としての歴史があり、今後、市を巻き込んだ展開もしたいです。
・両団体とも今の段階で市民を意識しており、市民へのアプローチに期待がもてます。
●資料の提供について
愛知県陶器瓦工業組合様より「設計士のための三州瓦マニュアル」を参加者分ご提供して頂きました。藤岡は瓦の産地として歴史がありますが、現在は三州瓦も多く使われており、この度、資料のご提供をお願いし、快く対応して頂きました。厚く御礼申し上げます。
藤岡支部 広報より
豊田一郎支部長挨拶
瓦の勉強会風景1 のし瓦の説明
瓦の勉強会風景2 雁足の説明